2016/12/8 一流の対応

Sさんは製薬会社の総務部で働いています。会社の周年式典を執り行なうため、二社のホテルに見積もりを依頼しました。

一社は、誰もが知っている有名なAホテル。もう一社は、最近できたばかりで会社からアクセスが良いBホテルです。

すぐにホテルから見積もりが届きましたが、大きな差はありません。どちらを選ぶか決めかねたSさんは、懇親会の時間や参加者の年齢層を伝え、「こういう式典の懇親会は立食が良いか、着席が良いか」という相談メールを送ったのです。

すぐに返信が来だのはAホテルでした。それも、こちらの問いに対して、様々なシチュエーションを想定して、複数の提案をしてくれたのでした。

一方、Bホテルから返信が来たのは二日後でした。メールの文面は「当ホテルを見てからお客様で決めていただきたい」というものでした。

結局、Aホテルを選んだSさん。ホテルスタッフの濃やかな対応のおかげで、周年式典は大成功に終わり、参加した人皆が喜ぶ会合となりました。

今日の心がけ◆小さなやり取りこそ大事にしましよう

この話には続きがあります。

後日メールの文面だけで決めてしまった事を気にしていたSさんは、Bホテルも見てみる事にしました。

Bホテルは最近できたばかりという事もあり、新しいく綺麗で豊富な会場があり、実際に目で見てからでないと判断できないほど施設が充実していました。また価格も安かったのでした。

次からはメールの文面だけで判断するのではなく自分の目で確かめる必要があると思ったSさんでした。

今日の心がけ◆大事な事は自分の目で確かめましょう

長年読んでいるとこういう反対の事を言っている場合が非常に多く、「イヤイヤ前回違ったこと言ってたよね」っていう回が多々あります。

今回のとは関係ありませんが、職場の教養には、後知恵バイアスがめっさはびこっています。後知恵バイアスとは、物事が起きてからそれが予測可能だったと考える傾向の事です。そりゃ後で考えればそうだよねっていうやつです。

こういうやつです。↓

46人の被験者に、アガサ・クリスティのいた本の数を推定させた。推定の平均値は51冊であった。後日、被験者に正解(67冊)を知らせ、自分のもともとの予想を思い出すように言ったところ、その平均値は63冊に上昇した。

引用行動経済学 経済は「感情」で動いている (光文社新書)より

後知恵バイアスは全員にありますが、知ってると知らないとでは大違いです。みんな最初は良かれと思って何かをやるわけですよ。で大体が成功するわけですが、中には失敗してしまう時があります。その特殊な例をあげつらって息巻いた上司が鼻息を荒くして責め立てるわけですよ。「なぜ最初に確認しない」みたいに。その失敗するやつが最初から分かっていれば誰も失敗しないわけですから、少しでも失敗の可能性があるもの全てを事前に確認するという不可能に近い事をしなくてはいけなくなるわけです。全部を確認するのは不可能ですので、また失敗が起きるわけです。で、「なぜ確認しなかった?」 となるわけですよ。バカですね。

職場の教養もそうですが、それを読ませている上役も同じく糞以下だなと思ってしまうわけですよ。

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1 個のコメント

  • 最初の文面で、何故SはBホテルを確認しなかったのか疑問でした。
    私が担当だったらBホテルも確認はしました。
    後で後悔したくないですからね。

    Sが全ての判断材料を確認しないでAホテルに決めた甘さを、私は指摘したいですね。

    次の文章で「やっぱり」と思いましたが、一応は反省しているんですかね。
    現在の「職場の教養」ほどひねくれていない時期だったのですかね。

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