元・徳島県警捜査一課警部の秋山博康氏は、23歳で刑事となり、地域の安全のために31年間、刑事として最前線で捜査にあたってきました。
秋山氏は、警察官を追ったドキュメンタリー番組「警察24時」にも登場し、個性的な髪形が印象的な「リーゼント刑事」として知られています。
秋山氏が刑事になろうと決意したのは、小学校4年生の時でした。自分の部屋で寝ていたところ、深夜に窓ガラスが割れる音が聞こえ、家の中に泥棒が入ってくる気配を感じました。幸いにも父親が気づき、泥棒は逃げていきました。
ところが秋山氏は、あまりの怖さに震えが止まりませんでした。そこへ捜査に来た刑事が、「おっちゃんが必ず逮捕する。安心しろ」と声をかけてくれました。その瞬間、〈刑事になって町の安全は自分が守る〉と決意したのです。
何かを始めるときには、それぞれにきっかけがあるものです。就職した時の思い、資格取得を目指した時の志など、もし挫けそうになった時には、その原点を思い出すことで、再び力が湧いてくるはずです。
今日の心がけ◆原点を振り返りましょう
原点って「昔は文句も言わずに働いていただろう? あの頃のように黙って従え」って事ですよ。
感想例
事務・管理職向け
刑事さんの言葉が少年の人生を変えたというお話を読み、言葉の重みを感じました。 私がこの会社に入った頃は、右も左もわからず、先輩方に助けていただくことばかりでした。その時、優しく声をかけていただいた安心感は今でも覚えています。 最近は業務に追われ、周囲への配慮が少し疎かになっていたかもしれません。初心を思い出し、今度は私が誰かの不安を取り除けるような、丁寧な対応や声がけを心がけたいと思います。
【感想要点】
- 入社当時の不安だった気持ちと、助けられた経験を振り返る
- 慣れによる配慮不足を反省する
- 周囲への丁寧な声がけで信頼関係を作りたいという意思表示
技術・製造・現場職向け
「町の安全を守る」という強い決意のお話を読み、私たちの仕事における「安全」について考えさせられました。 入社したての頃は、怪我をしないように、不良品を出さないようにと、一つひとつの手順を慎重に行っていました。しかし、経験を積むにつれて、どこかで「これくらいなら大丈夫」という油断が生まれてしまっている気がします。 もう一度、あの頃の緊張感を思い出し、基本作業を忠実に行うことが、自分と仲間の安全を守ることにつながると信じて、業務にあたりたいと思います。
【感想要点】
- 入社当時の慎重さと現在の慣れ(油断)を対比させる
- 基本手順の遵守が安全につながることを再確認する
- 初心に返って丁寧に作業することへの決意
営業・サービス職向け
たった一言が人の一生を左右するというエピソードに、身が引き締まる思いがしました。 私がこの仕事を選んだ時は、お客様に喜んでもらいたい、役に立ちたいという純粋な気持ちがあったように思います。ですが、最近は数字や効率ばかりを気にして、目の前のお客様一人ひとりに向き合う姿勢が足りなかったかもしれません。 「お客様のために」という原点に立ち返り、相手の不安を解消できるような、誠実なコミュニケーションを心がけていきたいと思います。
【感想要点】
- お客様の役に立ちたいと思っていた入社動機を振り返る
- 数字や効率重視になりがちな現状を反省する
- 誠実な対応でお客様と向き合いたいという姿勢を示す
本の紹介
『諦める力』
- 著者:為末 大
本文では「初心(原点)を思い出して頑張れ」と説いていますが、この本はその真逆を行きます。著者の為末大氏は、元陸上選手としての経験から、「手段を諦めることは、目的を達成するための前向きな選択である」と説いています。 「最初に決めたことだから」「せっかくここまでやったから」という理由だけで、自分に合わない努力を続けることは、単なる執着であり、人生の無駄遣いかもしれません。 「初心を貫くこと」だけが美徳とされる日本の空気に息苦しさを感じている人に、ぜひ読んでほしい一冊です。「原点」に縛られず、今の自分に合わせて柔軟に生き方を変える勇気をくれます。

まず初心に返るべきなのは信者とエセ倫理です。
小さな会社のくせに資本家ぶって、根性が腐ってるのに人格者ぶって、変な宗教にハマって、目下の者をいじめたり、得意先に迷惑をかけてやろうと思ってたの?
違うでしょうか。大半の信者は、自分の会社をよくしてやろうと必死に働いていたはずです。目下の者はいじめていた可能性は否定できないが、得意先に「朝礼中ですので、折り返し電話をしますという」という迷惑はかけていなかったと思います。
エセ倫理も同様。丸山敏雄もひとのみち教団出現なので、洗脳は専売特許でしょう。しかし、今のエセ倫理のように目下の者をいじめまくったり、他人名義を勝手に使って幽霊会員を増やすようなことはしなかったと思います。万人幸福の栞を読めばね。この職場の強要よりは、よぼどマシ。
初心に返るのはエセ倫理や信者てますが、目下の者が初心に返るということはどういうことでしょうか?
こんな見込みない会社は見切りをつけて、てんしよ
「何かを始めるときには、それぞれにきっかけがあるものです。」
・・・
当たり前じゃん。
再び力が湧いて?
就職した時を思い出して、文句を言わす働けってことですよね。
この本って、絶対に社員側に立たないんですよ。
いい加減にしろ!
「警察24時」って、筆者の好きな番組でしょ。
私はSnowManの岩本くんが主演している『恋する警護24時』の方が好きだけどね。
『諦める力』の核心テーマは明快です。この本が一貫して伝えているのは、「諦める=逃げ」ではなく、「目的を達成するために、あえて手段を捨てるという戦略的判断である」という考え方です。
著者・為末大氏は、オリンピックを目指したトップアスリートとしての実体験をもとに、日本社会に根強く残る「継続=美徳」「やめないこと=正しさ」といった価値観に、静かに、しかし鋭く疑問を投げかけています。
本書で最も重要な視点は、「目的」と「手段」を分けて考えることです。何のためにやるのかという目的と、その目的を達成するための方法は、本来、別物のはずです。しかし多くの人は、最初に選んだ「手段」を守るべきものだと無意識に思い込んでしまいます。「昔からやっているから」「そう決まっているから」「誰も文句を言わないだろう」といった理由が、その典型です。
しかし著者は言います。「目的が同じなら、手段は変えていい。手段に固執することは、かえって目的を失う危険がある」と。例えば、「陸上で世界と戦う」という目的のために、自分の身体特性に合わない競技を続けることは、努力ではなく、ただの「消耗」でしかないのです。
為末氏は、努力が報われなかった経験を「根性が足りなかった」「覚悟が足りなかった」とは捉えません。むしろ、環境、身体的特性、時代、自分自身の変化といった要因を冷静に分析し、「今の自分には合っていない」と判断できることこそが成熟だと説きます。これは、「挫折」を「能力不足の証明」ではなく、「方向修正のサイン」として捉え直す視点です。この考え方は、「職場の教養」とは対照的であり、私はむしろ、こちらのほうが現実的で正しいと思います。
本書では、日本特有の価値観にも触れられています。「最初に決めたことは貫け」「石の上にも三年」「辛くても我慢しろ」「途中でやめる人は信用できない」――こうした空気が、人を縛り、選択肢を奪い、不必要な我慢を正当化していると、著者は指摘します。特に印象的なのは、「やめる自由」が認められない社会では、「選ぶ自由」も本当には存在しない、というメッセージです。
為末氏の言う「諦める力」とは、「投げ出すこと」や「責任放棄」、「楽をすること」ではありません。それは、状況を客観的に見つめ、自分を過信せず、執着を手放し、次の可能性へ進む力です。言い換えれば、大人の判断力そのものだと思います。
「職場の教養」が伝える「初心を思い出して耐えよ」というメッセージとは、やはり対照的です。職場の教養は「原点に立ち返り、踏みとどまれ」と説きますが、『諦める力』は「原点ですら、必要なら疑え」と語りかけてきます。この本は、「初心を守ることが正義」という一元的な価値観を壊すための一冊だと言えるでしょう。
経営者は、経験を積んだ社員からの意見を、もっと積極的に取り上げるべきだと思います。
現場の違和感を無視せず、「昔決めたから」という理由だけで続けない。変える勇気を持つ。
『諦める力』は、「頑張れ」という言葉に疲れた人に、立ち止まって考える余白を与えてくれるようです。
追伸:古い会社、古い組織ほど、昔からこうだからという根拠の無い、実は根拠が無いことを誰も知らない、語らないもの、に縛られているのかもしれません。人生は一本道だと語る人もいれば、人生は選択の連続だという人もいます。どちらも、その人にとっては正しいのだと思います・・・その理由・根拠があるならば。そして、それは人に強要することでは無いはずです。私は、古い物事に関しては、時間をかけ調べ、じっくりと考えながら答えを出したいと思う性格です。しかし、何をもって調べるべきかを見失うタイプでもあります。このサイトは単なる反面教師だったのですが、サイト管理者の本の紹介によって、より調べる幅が広がりました。感謝感謝です。