2025/11/08 亡き父への挨拶

Ａ氏は、10年前に亡くなった父の遺影(いえい)に朝と晩、欠かさず挨拶をする習慣を続けています。ある日、遺影(いえい)の前で父と語り合うように思いを巡らせていました。
仕事では、上司や部下など、さまざまな立場の人々と向き合う中で、トラブルや思うようにいかない出来事が重なることがあります。
そんな時、Ａ氏は自分自身を省みるよりも、周囲の人や状況に対して不満や愚痴をこぼしてしまう傾向があることに気づかされました。
その気づきを同僚に話すと、「人と比べると愚痴が出てしまうけれど、昨日の自分と比べると、そんな気持ちは出てこないものだよ」と言われました。
その言葉に合点(がてん)したＡ氏は、父への朝の挨拶の際に「今日一日、人への愚痴はこぼしません」と心に誓い、出社するようになったのです。
すると、晴れやかな気持ちで一日のスタートを切れるようになり、帰宅後も一日を無事に終えられた感謝を父に報告する時間が持てるようになりました。
冷静に物事を見つめる姿勢を大切にしながら、一日を過ごしたいものです。

今日の心がけ◆謙虚な気持ちを持ちましょう

亡父に「愚痴はこぼしません」と誓う部分。これはもはや精神的な呪縛であり不満や問題点を「愚痴」として封じ込めることで、会社は構造的な問題を改善する義務を免れる。「謙虚」は指示されるものではなく、対等な関係の中で自発的に選ぶ態度だ。ふざけるな!

感想例　
3種類の職種向けに別々の感想例を掲載します。また、要点をまとめましたので自分の言葉で適当に朝礼の感想を述べてサクッと終わらせてください。

① 事務・管理職向け
仕事が立て込んでいると、つい他部署の対応や状況に対して不満を感じてしまうことがあります。しかし、その不満を口にしても、組織全体の連携が良くなるわけではないと、本文を読んで改めて感じました。大切なのは、まず自分自身を冷静に省みることだと思います。「昨日の自分」と比べて、今日は少しでも効率的な手順を試す、あるいは丁寧な連絡を心がけるなど、小さな改善を意識したいと思います。他責にするのではなく、まず自分ができることに謙虚に取り組む姿勢が、結果としてチーム全体の信頼関係を築く第一歩になると思います。

• 要点:
  • 不満を口にしても、組織の連携は改善しない。
  • 他責にせず、まず自分自身を冷静に省みることが大切。
  • 「昨日の自分」より少しでも成長できるよう、小さな改善を意識する。
  • 謙虚な取り組みが、チームの信頼構築につながると信じている。

② 技術・製造・現場職向け

現場作業では、予期せぬトラブルや連携がうまくいかないことも起こりがちです。そんな時、つい不満を口にしたくなる自分に気づかされます。他人や状況のせいにする前に、まず自分自身の行動を省みる姿勢が重要だと感じました。「昨日の自分」と比べて、今日の自分は安全手順を確実に守れたか、品質を意識した作業ができたかと、自問自答を続けたいと思います。愚痴をこぼすのではなく、一つひとつの基本動作に謙虚に向き合うことが、日々の安全と品質を守ることにつながると考えます。

• 要点:
  • 現場では不満を口にしたくなる時があるが、まず自分を省みる。
  • 「昨日の自分」と比べ、安全や品質を意識できたかを自問する。
  • 基本動作に謙虚に向き合うことが、日々の安全と品質の維持につながる。
  • 他人や状況のせいにする前に、自身の行動を見直す姿勢が重要。

③ 営業・サービス職向け
お客様や関わる人々との関係で、思うようにいかないことがあると、つい不満や愚痴が出てしまいそうになります。ですが、その否定的な気持ちは、態度や表情を通じて相手にも伝わってしまうものだと反省しました。「昨日の自分」よりも誠実な対応ができたか、相手の状況を思いやれたかを日々振り返ることが大切だと感じます。「愚痴をこぼさない」と決めるだけで心が前向きになるように、まずはこちらから謙虚な気持ちで接したいと思います。その姿勢こそが、相手との信頼関係を築き、感謝の気持ちを育むのだと思います。

• 要点:
  • 不満や愚痴は、態度を通じて相手に伝わってしまうため反省した。
  • 「昨日の自分」より誠実に対応できたか、相手を思いやれたかを振り返る。
  • 謙虚な気持ちで接することが、前向きな心と信頼関係を生む。
  • その姿勢が、結果として感謝の気持ちを育むことにつながる。