2025/12/21 身近な道具

身近な道具の中には、目立たないながらも私たちの生活の中で重要な役割を果たしているものがあります。
その一例として挙げられるのが、体温計です。体温は、日常生活において体調を客観的に示すバロメーターであり、体温計が身近にあれば、必要な判断を迅速に下すことができ、安心感を得られます。
日本では、第一次世界大戦中に体温計の輸入が途絶えたことをきっかけに、北里柴三郎博士をはじめとする当時の医師らが、国産体温計の開発に取り組みました。その尽力がなければ、手軽に体温を測る習慣は根づかなかったかもしれません。
現在、当たり前のように使われている道具の多くは、社会的な課題を解決したいという開発者の思いが込められ、それぞれに完成までのストーリーがあります。
私たちの日常業務もまた、何らかの形で社会貢献や社会問題の解決につながっているはずです。業務の意義を折に触れて見つめ直すことは、仕事への理解と意欲を深めるうえで大切なことではないでしょうか。

今日の心がけ◆業務の意義を意識しましょう

業務の意義が社会貢献だと思い頑張っても結局社員には還元されないんだぜ。

感想例

① 事務・管理職向け

北里博士のエピソードを読み、私たちが普段当たり前のように使っている備品やデータの裏側にも、誰かの苦労や工夫があるのだと改めて気づかされました。事務の仕事は直接お客様に感謝される機会は少ないため、時々自分のやっていることが役に立っているのか不安になることがあります。しかし、体温計が安心感を与えるように、私の作る資料や処理も、会社の誰かの安心や正しい判断につながっているのかもしれません。これからは、地味な作業であっても、それが円滑な業務の土台になっていると信じて、一つひとつ丁寧に取り組んでいきたいと思います。

感想要点

  • 備品やデータの裏にある誰かの工夫に思いを馳せる。
  • 事務職は直接感謝されにくいが、会社の安心を支えていると捉える。
  • 地味な作業も円滑な業務の土台であると信じる。
  • 一つひとつの業務に丁寧に取り組む姿勢を持つ。

② 技術・製造・現場職向け

国産体温計の開発の話から、ものづくりにおける情熱と責任の重さを感じました。現場で働いていると、つい毎日の作業が単調に感じられ、数ある製品の一つとして扱ってしまいがちです。しかし、使う人にとっては、それが頼りになる唯一の道具になるのだと思います。私が担当している工程も、社会のどこかで誰かの困りごとを解決する助けになっているはずです。これからは、自分の仕事の先に使ってくれる人がいることを想像しながら、安全確認や手順の遵守といった基本動作を、より大切にしていきたいと思います。

感想要点

  • 開発の歴史から、ものづくりへの情熱と責任を感じ取る。
  • 単調な作業でも、ユーザーにとっては重要な道具であることを意識する。
  • 自分の仕事が誰かの助けになっていると想像する。
  • ユーザーを思い浮かべ、安全確認や基本動作を徹底する。

③ 営業・サービス職向け

体温計が人々に「安心感」を与えるバロメーターであるという話が印象に残りました。私たち営業やサービスの仕事も、お客様にとっての困りごとを解決し、安心を提供するという意味では、体温計と同じ役割を担っているのかもしれません。忙しいとつい売上や数字ばかりを気にしてしまいますが、本当の目的はお客様の不安を取り除くことだと感じました。これからは、ただ商品を提案するだけでなく、お客様が何に困り、どうすれば安心できるのかを一番に考え、相手の立場に立った行動を心がけていきたいと思います。

感想要点

  • 相手の立場に立った提案や行動を心がける。
  • 営業・サービス職もお客様に「安心感」を提供する役割であると捉える。
  • 数字だけでなく、お客様の不安を取り除くことを目的にする。
  • お客様の困りごとと安心を最優先に考える。

本の紹介

ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論

著者: デヴィッド・グレーバー

「自分の仕事には社会的な意味があるはずだ」と言い聞かせ、疲弊していませんか? もし、今日の朝礼の文章を読んで「そんな綺麗事、自分の仕事には当てはまらない」とモヤモヤしたなら、この本がその正体を暴いてくれます。 著者のデヴィッド・グレーバーは、世の中の多くの仕事が実は「無意味」であり、それは個人のせいではなく社会構造の問題だと断言します。 「やりがい」という言葉に縛られず、もっと気楽に働くための知的武装として、あるいは「働いているふり」に疲れたあなたの心を救う処方箋として、ぜひ手に取ってみてください。目から鱗が落ちるような、痛快な読書体験が待っています。

0

4 件のコメント

  • 我々はなぜ仕事をしているのか?その理由は簡単です。自分と自分の家族の幸せのためです。社会貢献という言葉は、あくまで仕事をするモチベーションの一つでしかありません。その社会貢献という言葉を最優先するような指導はよろしく無いと思います。

    0
  • 身近な人の中には、目立たないながらも会社組織の中で重要な役割を果たしている者がいます。身近の道具よりも、身近な人材を大切にしましょう。

    0
  • 身近な道具の中から体温計を紹介する。からの業務の意義を意識しろと言う。この小冊子は、給与のことはタブーなのだろう。労働対価という本質を無視する話に何の意味があるのだろう?業務の本質を語りなさい。

    0
  • エセ倫理の活力朝礼や行事は信者たちに貢献しているでしょうが、目下の者や取引先などの関係者に迷惑をかけていますし、社会問題になりかねないような法律違反も平気でしています。

    貴方たちこそ、活力朝礼やエセ倫理の業務の意義を折に触れて見つめ直す必要がないのでしょうか?

    もちろん、絶対的上下関係。やってはいけないことと疑わしいことは違うと平気で法律違反をする。などなど、これをさらに陰湿にして、目下の者に強くあたるように見つめ直してしまいそうですけど。

    1+
  • 匿名 へ返信する コメントをキャンセル

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

    日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)