2019/07/01 歩の働き
将棋の世界には、「歩のない将棋は負け将棋」という格言があります。 一見最弱な歩の駒が、実は攻守共によく働き、勝敗にかかわる重要な役割を果たすという意味です。 入社したての新人の頃、〈雑用が多いなあ…〉と思った経験がある人…
将棋の世界には、「歩のない将棋は負け将棋」という格言があります。 一見最弱な歩の駒が、実は攻守共によく働き、勝敗にかかわる重要な役割を果たすという意味です。 入社したての新人の頃、〈雑用が多いなあ…〉と思った経験がある人…
去る四月一日、「平成」に代わる新元号は、「令和」と発表されました。 「令和」は、現存する日本最古の歌集である『万葉集』巻五の「梅花の歌三十二首并せて序」の以下の文からの引用です。 「初春の令月にして、気淑く風和ぎ、梅は鏡…
仕事でも家庭生活でも、人が生きていく上で悩み事は尽きないものです。 Nさんは最近、家庭の雰囲気が暗いことに気がっきました。夫婦の会話が減り、二人で出かけることも少なかったのです。 その上、子供との会話も少なく、家の中で笑…
Sさんが出張先のホテルで、同僚数人と、朝食を摂るため食堂に行った時のことです。おかずの一つにハムエッグがありました。 Sさんが「ハムエッグには、何をかけて食べる?」と聞きました。I君は「醤油」、T君は「塩だけ」、Kさんは…
梅雨の季節になりました。近年は異常気象が続き、予測不可能な局地的な大雨が「ゲリラ豪雨」という名で呼ばれています。 日本人は、雨や風などの自然現象に季節の移ろいを繊細に感じ取って、様々な名前をつけてきました。特に、恵みをも…
「人間の価値は、絶望的な敗北に直面して、いかにふるまうかにかかっている」。これは、キューバの老漁師を描いた小説『老人と海』が評価され、ノーベル文学賞を受賞した、アメリカのアーネストーヘミングウェイの言葉です。 四月に人事…
今日はSさんが家族の夕食を作る日です。献立を決め、買い物をし、家に帰って「さあ、作るぞ」と台所を見た瞬間、あることに気がつきました。 それは、昨日の洗い物が残っていたため、すぐ調理に取りかかれないことです。昨日はSさんが…
人間関係を築いていく中で、時に〈この人とは合わないかもしれない〉と感じることがあるでしょう。 人は見た目や最初の会話で、相手の印象を決めてしまいがちです。しかし、そうした先入観にとらわれてしまうと、相手が持つ良さを見逃し…
向田邦子さんのエッセイ本『夜中の薔薇』に、「箸置」と題した文があります。 物書きの友人が、暮らしを楽しもうと仕事を減らしはしめたため理由を尋ねると、「箸置きも置かずに、せかせかと食事するのが嫌になった」と言ったそうです。…
イギリスやフランス、オーストラリアなど、私たちがよく見聞きする国であっても、日本との違いについて、案外、知らないことは多いものです。 例えば今日は、一年で最も昼の長い「夏至」です。日本では昼の長さは十三時間ほどで、日が沈…
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