T氏が二日間の宿泊会議を終え、駐車場に戻った時のことです。車の後部座席にあるはずの物がなくなっていたのです。紛失してしまった物の中には、手書きで綴った十七年分の経営計画書もありました。
T氏は〈俺の十七年分の苦労が・・・〉と頭の中が真っ白になりました。そのことを大学生の息子に伝えると、「過去を捨てろということだよ、父さん」と言われ、〈父親を納得させることを言うなんて・・・〉と、息子の発言を誇りに思ったのです。
絶望から一転、気分をよくしたT氏は、一連の経緯を先輩経営者に伝えました。
「さらに加えると、十七年間のあなたの経営者としてのあり方が問い正されているんですよ。小さな会社の中で、社員より先に自分が率先して取り組みましたか。そうした自己のあり方をこれからは正していきなさい」と言われたのです。
先輩経営者の言葉に合点したT氏。単に会社を運営するノウハウではなく、経営「人」としてのあり方を問い正すきっかけとなったといいます。その後T氏は、経営理念をも変革し、新たな事業展開へのきっかけとなりました。
今日の心がけ◆自己を謙虚な姿勢で振り返りましよう
後部座席にあった色々な物が無くなって、その一つが経営計画書だったわけでしょ。
警察に届けろよ。
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