2019/07/10 もう一人のお客様
S子さんが母親の七回忌で、飛行機で帰省した時のことです。遺影を風呂敷に入れて、膝に抱えて離陸の時間を待っていました。 客室乗務員より「こちらのお手荷物を上の棚にお入れしてもよろしいでしょうか」と声をかけられ、S子さんは「…
S子さんが母親の七回忌で、飛行機で帰省した時のことです。遺影を風呂敷に入れて、膝に抱えて離陸の時間を待っていました。 客室乗務員より「こちらのお手荷物を上の棚にお入れしてもよろしいでしょうか」と声をかけられ、S子さんは「…
北京・ロンドン五翰で銀メダルを獲得したフェンシングの太田雄貴氏は、選手を引退後、二〇一七年に日本フェンシング協会会長に就任しました。 現在は「東京五輪のフェンシング会場を満員にする」を合言葉に、斬新なアイデアでフェンシン…
私たちの職場には、担当する部署によって活動の方針が決まっています。その方針に則って、それぞれの職務を円滑に進めることが必要でしょう。 Mさんが勤める会社では、社長が事あるごとに経営理念の話をします。耳に夕コができるくらい…
近年、地球温暖化による夏の猛暑や集中豪雨など、多くの自然災害が発生しています。 今年も夏を迎え、自然災害への備えや心構えを今一度、確かめておくことも必要でしょう。それには、被災された方たちが語る次の言葉を胸に刻み、行動し…
Kさんは、学生時代に暮らしていた町へ、二十数年振りで出張に行くこととなりました。当時の情景を懐かしく思い出しながら町を散策していると、昼食の時間になり、仲間だちとよく通ったラーメン店を思い出したのです。 その店は、昔の佇…
去る四月一日、「平成」に代わる新元号は、「令和」と発表されました。 「令和」は、現存する日本最古の歌集である『万葉集』巻五の「梅花の歌三十二首并せて序」の以下の文からの引用です。 「初春の令月にして、気淑く風和ぎ、梅は鏡…
Sさんが出張先のホテルで、同僚数人と、朝食を摂るため食堂に行った時のことです。おかずの一つにハムエッグがありました。 Sさんが「ハムエッグには、何をかけて食べる?」と聞きました。I君は「醤油」、T君は「塩だけ」、Kさんは…
向田邦子さんのエッセイ本『夜中の薔薇』に、「箸置」と題した文があります。 物書きの友人が、暮らしを楽しもうと仕事を減らしはしめたため理由を尋ねると、「箸置きも置かずに、せかせかと食事するのが嫌になった」と言ったそうです。…
イギリスやフランス、オーストラリアなど、私たちがよく見聞きする国であっても、日本との違いについて、案外、知らないことは多いものです。 例えば今日は、一年で最も昼の長い「夏至」です。日本では昼の長さは十三時間ほどで、日が沈…
「むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。おじいさんは山へしばかりに、おばあさんは川へせんたくに行きました」 これは、昔話「桃太郎」の最初の一節です。Kさんは、小さい頃から「しばかり」とは、「…
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